「もう限界…でも、自分で退職を切り出すのは難しい」
そんなときに役立つのが退職代行サービスです。民間企業で広く知られるようになった退職代行ですが、公務員も利用できるのか?と疑問を抱く方も多いでしょう。
結論から言えば、公務員でも退職代行の利用は可能です。
ただし、公務員ならではの制度や規定があるため、利用にはいくつか注意点があります。
この記事では、「公務員の退職代行」に関するリアルな事情や、実際の流れ、利用時の費用相場、よくある質問まで詳しく解説します。
公務員も退職代行は使える!
まず大前提として、公務員であっても退職代行サービスの利用は合法であり、現実的な選択肢です。
実際に、国家公務員・地方公務員問わず、退職代行を使って辞職した事例は少なくありません。
特に下記のような悩みを持つ方に選ばれています:
- 上司に退職を伝える勇気がない
- 引き止められるのが怖い
- メンタルが限界で話すのもつらい
- 配属先の人間関係に耐えられない
民間企業と異なり、公務員には「退職願」など一定の手続きが求められますが、適切な知識を持つ退職代行業者であれば、問題なく対応が可能です。
種類 | 提出義務 | 根拠 | 説明 |
---|---|---|---|
国家公務員 | あり | 国家公務員法 第76条 | 分限・懲戒以外での退職には本人の意思表示(退職願)が必要 |
地方公務員 | あり | 地方公務員法 第28条 | 自己都合退職には条例に基づく手続きが必要 |
もし退職代行を使う場合でも、この「退職願」は本人名義で作成され、代行業者がそれを代理提出する形になります(代理権がある弁護士のみ可能)。
代行業者が法的な手続きを担えない場合、本人の署名済み退職願を郵送で会社へ送るなどの対応が取られます。
公務員が退職代行を使う場合の注意点
公務員が退職代行を利用するにあたり、民間企業と異なるいくつかの注意点があります。
「辞職」は任命権者の承認が必要
民間企業では「退職届を提出=退職成立」となるケースが多いですが、公務員の場合、任命権者の承認をもって辞職が成立します。
そのため、勝手に辞めることはできず、形式的な「承認プロセス」が必要です。
このため、やり取りを代理できるのは弁護士のみとなる点に注意してください。
無断欠勤扱いになるリスクも
無資格の業者が代理でやり取りをすると、適切な手続きを踏めずに「無断欠勤」扱いになる可能性があります。
公務員は服務規律が厳しく、無断欠勤が続けば懲戒処分や減給の対象となることも。
そのため、弁護士資格のある退職代行サービス(=弁護士法人系)を選ぶのが安全です。
地方ごとのルールにも注意
地方公務員の場合、自治体ごとに異なる就業規則や退職手続きがあります。
退職代行業者がこれらを把握していないと、手続きがスムーズに進まない可能性もあるため、公務員の退職実績がある代行業者を選ぶことが大切です。
公務員が退職代行を使うときの流れ
- 無料相談・問い合わせ
まずは希望の退職代行業者に相談。公務員であることを伝える。 - サービスの選定・契約
自分の状況に合わせてプランを選び、契約。 - 必要書類の準備
辞職願の作成や、任命権者への提出書類などの指示を受ける。 - 退職代行による連絡・手続き
業者が本人に代わって上司や人事に退職の意向を伝達。 - 承認後の処理と退職完了
任命権者の承認が下り、正式に退職となる。
公務員が退職代行を使うときの費用相場
退職代行サービスの費用は、利用する業者の種類によって異なります。
業者の種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
民間企業系 | 約20,000〜30,000円 | 交渉・法的代理不可、公務員には不向き |
労働組合系 | 約25,000〜30,000円 | 一部の交渉が可能、ただし法的には限界あり |
弁護士法人系 | 約50,000〜60,000円 | 任命権者との対応可能、唯一の安心選択肢 |
公務員の場合は、弁護士法人系の退職代行一択と考えるべきです。
費用は多少高めですが、「手続きの確実性」「トラブル時の対応力」が段違いです。
公務員が退職代行を利用した事例
事例①:20代女性・市役所職員(一般行政職)
- 費用:55,000円(弁護士法人系)
- 状況:人間関係が原因でメンタル不調、出社困難
- 結果:即日で辞職の意思を伝え、2週間で承認→退職
事例②:30代男性・県立学校教員
- 費用:55,000円+未払い手当の交渉報酬(成功報酬20%)
- 状況:長時間労働・部活指導の過重負担で疲弊
- 結果:約15万円分の未払い分を請求、スムーズに辞職
公務員が退職代行を使うメリット
公務員が退職代行を使うメリットは、民間企業と重なる部分もありますが、公務員特有の立場や制度、職場環境に起因する独自の利点も存在します。以下に、より詳しく・実用的な視点で解説します。
上司や教育委員会との直接対面を避けられる
公務員(特に教員や役所職員)の世界では、退職を申し出る際に「口頭で上司に相談」→「正式な書面提出」→「教育委員会や人事の承認」という流れが一般的です。しかし、
- 「辞める」と言い出しにくい
- 強く引き止められる
- 精神的ストレスが大きい
といった理由から、その“最初の一歩”が踏み出せない方が多くいます。
➡️ 退職代行を使えば、退職の意思表明や書類のやりとりを代行してくれるため、本人が直接言いにくい状況でも辞めるきっかけを作れます。
面倒な手続きや連絡を一任できる
公務員の退職は、民間企業と比べてやや手続きが煩雑で、書類も多岐にわたります(退職願・共済年金・公務員健康保険など)。
✅ 弁護士法人系の退職代行を選べば:
- 必要な書類の準備・提出サポート
- 教育委員会・人事とのやりとりの代行
- 有給休暇の取得交渉(※弁護士または労働組合)
などを専門的にサポートしてくれるため、書類や制度に不慣れな方でも安心です。
引き止めや圧力への対策になる
教員や公務職員の場合、上司や教育委員会が以下のような反応を示すことがあります:
- 「次の人が決まるまで待て」
- 「公務員なのに突然辞めるのか?」
- 「異動で環境を変えればいいのでは?」
➡️ こうした「引き止め」や「精神的プレッシャー」は、法的に辞職の自由が認められているにも関わらず、多くの人を追い詰めます。
退職代行を使うことで、退職の自由を専門家が主張し、本人が苦しい交渉に巻き込まれるリスクを回避できます。
精神的・身体的に限界でもすぐ動ける
うつや適応障害など、メンタルヘルスに問題を抱える公務員も少なくありません。
- 朝起きられない
- 出勤の気力がわかない
- 上司に連絡することすらストレス
このような状況でも、退職代行であればLINEやメールで申し込むだけで、すぐに退職プロセスをスタートできます。
➡️ 早ければ「その日のうちに職場連絡を代行」「翌日から出社不要」といったケースも珍しくありません。
法的リスクに備えられる(特に弁護士法人系)
公務員は「地方公務員法」「国家公務員法」などに基づき行動が制限されるため、退職時に注意すべき点もあります。
たとえば:
- 無断欠勤が長期化すると懲戒処分のリスク
- 有給の取得トラブル
- 教育委員会との連絡ミスによる手続きの不備
➡️ 弁護士法人系の退職代行であれば、こうした公務員特有の法的リスクに対応できるため、トラブルを未然に防ぐことができます。
周囲に知られずに退職できる(プライバシーを守れる)
退職代行を利用することで、退職の手続きや意思の伝達をすべて代行業者が行ってくれるため、本人が職場に出向いたり上司に直接話す必要がありません。そのため、「退職することを同僚に知られたくない」「家族に余計な心配をかけたくない」といった方でも、周囲に気づかれずに静かに退職手続きを進めることができます。
また、退職理由についても「一身上の都合」「体調不良」など、本人の希望に応じて柔軟に対応してくれるため、波風を立てず、体面を保ったまま職場を離れることが可能です。
「退職したいけれど、まわりに知られるのが嫌…」そんな悩みを抱えている方にとって、退職代行は心強い選択肢となるでしょう。
公務員が退職代行を使うデメリット・注意点
上司や同僚との関係が悪化する可能性
退職代行を利用すると、本人が直接退職の意思を伝えないまま辞めることになるため、周囲に悪印象を与えることがあります。
特に公務員の世界は「年功序列」「上下関係」などの文化が根強い傾向にあり、
- 「筋を通していない」
- 「無責任だ」
- 「後任への引き継ぎが不十分」
といった否定的な声があがることもあります。
※再就職や異動時に影響することは基本的にありませんが、人間関係のしこりは残る場合もあります。
一部の手続きを自分で行う必要がある
民間企業であれば代行業者が退職手続きをほぼすべて行ってくれることが多いですが、公務員の場合は以下のような事情から一部の書類対応や手続きを自分で行う必要があります。
- 退職願の署名・捺印は原則として本人が行う
- 退職後の書類(共済年金・健康保険など)の申請も本人対応
代行業者はあくまで「通知」「連絡」の代行にとどまり、すべてを完全に任せられるわけではありません。
弁護士でなければ対応できない場面がある
地方公務員の退職は、地方自治体の条例や人事規定が関係するため、法的な知識と交渉力が必要になる場面があります。
- 有給取得の交渉
- 拒否・引き止めへの対応
- 退職条件の確認・交渉
これらは弁護士以外の代行業者には法律上対応ができません(非弁行為に該当)。
よって、公務員が退職代行を使うなら、「弁護士法人系」一択と言えます。
料金がやや高めになる傾向
弁護士が対応するサービスは、民間業者よりも料金が高め(相場は5~6万円)です。
また、残業代請求や損害賠償の請求などを行う場合は、別途成功報酬が発生することもあります。
本人の意思確認が必要な場合がある
公務員の退職では、教育委員会や人事課が「本人の意思確認」を求めるケースがあります。
たとえば、
- 電話での確認
- 退職理由の簡単な説明
- 書面での再確認
こうしたやりとりを求められる可能性があるため、「完全に本人の関与なしで辞められる」とは限らない点も理解しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 退職代行を使っても、公務員は本当に辞められますか?
はい、可能です。国家公務員・地方公務員を問わず、本人の退職意思が明確であれば、退職代行サービスを通じて正式に退職することができます。辞職願(退職願)を提出し、適切な手続きを経ることで退職は成立します。
Q. 退職代行を使ったことが人事記録に残ることはありますか?
退職代行を利用した事実が公的な人事記録に記載されることは基本的にありません。退職理由も「一身上の都合」として処理されることが多いため、再就職や転職への悪影響はほとんどありません。
Q. 公務員に強い退職代行サービスはありますか?
はい。特に「労働組合系」や「弁護士法人系」の退職代行サービスは、公務員の制度や規定に詳しく、トラブルを未然に防ぐノウハウがあります。公的機関との対応に慣れている業者を選ぶのがおすすめです。
Q. 県立学校の教員でも退職代行を使えますか?
使えます。県立学校教員は地方公務員に該当し、正式な退職手続きを経る必要がありますが、その意思表示や書類提出のサポートを退職代行が担ってくれます。教育委員会や校長などへの連絡も代行可能です。
退職の意思表示を口頭でしていないのに辞められるのですか?
はい。民法上、退職は書面や代理人を通じた意思表示でも成立します。退職代行は、あなたの代理人として退職意思を正式に伝えてくれるため、直接口頭で伝えなくても退職は成立します。
Q. 退職理由は代行業者にどう伝えられるの?
多くの退職代行サービスでは、LINEやメール、電話での事前ヒアリングがあります。そこに希望の退職理由(例:「体調不良」「家庭の事情」「一身上の都合」など)を伝えれば、それに沿って対応してもらえます。
Q. 職場に制服や職員証を返却しないといけないのですが?
退職後に会社(役所)に返却すべきものがある場合、郵送で返却するよう退職代行業者が指示してくれることがほとんどです。物品のやり取りも直接やらなくて済むよう配慮されているケースが多いです。
Q. 退職後に必要な手続き(年金・保険・税金)はどうなりますか?
退職後の社会保険・年金の切り替え、住民税の支払いなどはご自身で行う必要があります。とはいえ、退職代行サービスでは必要に応じてこうした公的手続きについてのアドバイスを受けられることもあります。
Q. 退職代行の料金は経費として処理できますか?
公務員の場合、退職代行の費用は自己都合による支出となるため、経費として処理することはできません。確定申告等での控除対象にも原則なりません。
Q. 退職代行を使うことは職場に悪い印象を与えませんか?
直接のやり取りを避けたいという理由で退職代行を使う人は年々増えています。職場に「なぜ本人が連絡してこないのか」と不快感を与える可能性はゼロではありませんが、トラブルを避けて穏便に辞めるための手段として理解されつつあります。
Q. 退職代行を使って公務員を辞めた後、再び公務員で働けますか?
退職代行を使って公務員を辞めた後でも、再度公務員として働くことは可能です。ただし、いくつか注意点があります。
1. 退職代行を利用しても再就職に影響なし
退職代行を使ったこと自体は、再就職に直接的な不利益を与えることはありません。退職代行はあくまで退職意思を伝える手段であり、再就職には影響しません。
2. 懲戒処分を受けている場合は再就職に影響あり
もし退職前に懲戒処分を受けていた場合、再就職に制限がかかることがあります。懲戒処分歴が残る場合、数年間は再就職が難しくなることがあります。
3. 退職理由が「一身上の都合」で円満退職の場合、問題なし
「一身上の都合」で円満に退職した場合、再就職には問題がないことがほとんどです。退職代行を利用しても、適切な理由で辞めたことがあれば、新しい職場に悪影響はありません。
4. 再就職のためのポイント
再就職を目指す場合、面接時に退職代行を使った理由を伝えることがありますが、退職代行の利用がマイナスに働くことは基本的にありません。退職代行を利用した背景を説明し、新しい職場での意欲や成長を伝えることが重要です。
退職代行を使った公務員の退職後でも、懲戒歴がない限り再就職は可能です。退職理由や経緯をしっかりと整理し、再就職に向けて自信を持って進んでいきましょう。
まとめ:公務員こそ「弁護士法人系」の退職代行を選ぼう
「公務員だから代行は使えない…」そう思っている方も多いですが、実は弁護士法人系サービスを選べば、安全・確実に退職できます。
自力で伝えるのがつらい方、トラブルを避けたい方、制度に詳しい専門家のサポートを受けたい方にとって、退職代行は強い味方です。
まずは無料相談から、不安を少しずつ解消してみてください。
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